取り壊されていく研修センター。
私が実習に来たのは昭和58年(1983)だから、診療センターと町立畜産研修センターの開所から8年目ということになる。
その間、毎年10人や20人は学生実習に来ていたと思うので、100名近い獣医科学生が実習に来たはずだ。
しかし、私が就職したとき、この地区の農業共済組合にはここでの実習経験者はいなかった、と記憶している。
実習を経て就職したのは、私が初めて?
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以降は、採用者には実習経験者がたくさん居る。
NOSAIだけではなく、地元の軽種馬農協にも居るし、開業している先生も居る。
馬の業界で、他の地域で働いている実習経験獣医師も多い。
JRAにも、地方競馬にも、牧場にも数多い。
あらためて、責任の重さを感じている。
「ハコモノ」としても必要なものだった。
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これは直腸膣瘻です。第三度会陰裂傷ではありません。
初産で、子馬の鼻や肢が肛門から出て、そのまま生まれてしまうと第三度会陰裂傷になりますが、
押し戻して、陰部から生ますことができたら、直腸膣瘻になります。
直腸膣瘻は、自然治癒することもありますが、今回のようにとても大きく裂けていることもあります。
小さい瘻管が残っている例では、とても見つけづらいこともあるので、しっかり観て、触って診断することが重要です。
直腸膣瘻は直腸と膣の間を切り分けます。
この切り分けが難しく、とても重要です。
そうやっておいて、直腸の穴と膣の穴をそれぞれ別にしっかり縫合します。
術前・術後に絶食し、下剤をかけ、直腸に便が数日来ないようにすることもだいじです。
壊れたら再建する。
いったん破壊してでも、再建します。