骨折部を安定させることがそれほど重要か?と思われるかもしれない。
「大きくずれないならいいじゃない。キャスト固定だって骨折が治ることもあるんだし。・・・・」
それへの反論の根拠がこれ。
折れた骨をつなぎなおそうとするのも細胞。
わずか5μmでも引張られれば、ひとつの細胞にとっては耐えられる長さではなく、細胞は壊れてしまう。
AOが理想としているのは、完全な整復、安定した固定、そのことによる早期の機能回復。
この実験による骨癒合は、上の方は反応が少なく理想的な骨癒合が起きている。
中ほどは多少、吸収と再構築がある骨癒合になっている。
下は、骨組織の間に結合織が入り、まだ完全な骨癒合にはなっていない。
骨折部が密着し、安定しているかどうかで、骨癒合の状態と速さに差が出るわけだ。
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そして、プレート固定に用いた金属製インプラントもいつまでも強度を保てない。
一度の大きな力で崩壊することもあるが、それより小さい力でも繰り返されると金属疲労によってplate やscrewも破損する。
幸い、牛のプレート固定でplate が折れてしまった経験はないが、サラブレッドのプレート固定では何度か痛い目にあってきた。
AOの唱える理想と、その達成のための方法を知って、実践すべきだろう。
(図は「新小動物骨折内固定マニュアル」より)
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今朝もまだ寒かった。
COVID-19の感染・流行も暖かくなれば治まるという希望はないのだろうか・・・
暖かい国でも広まっているが・・・・・