Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1695

プレート固定の基本と注意点  骨折部の安定の必要性

$
0
0

骨折部を安定させることがそれほど重要か?と思われるかもしれない。

「大きくずれないならいいじゃない。キャスト固定だって骨折が治ることもあるんだし。・・・・」

それへの反論の根拠がこれ。

折れた骨をつなぎなおそうとするのも細胞。

わずか5μmでも引張られれば、ひとつの細胞にとっては耐えられる長さではなく、細胞は壊れてしまう。

AOが理想としているのは、完全な整復、安定した固定、そのことによる早期の機能回復。

この実験による骨癒合は、上の方は反応が少なく理想的な骨癒合が起きている。

中ほどは多少、吸収と再構築がある骨癒合になっている。

下は、骨組織の間に結合織が入り、まだ完全な骨癒合にはなっていない。

骨折部が密着し、安定しているかどうかで、骨癒合の状態と速さに差が出るわけだ。

                     -

そして、プレート固定に用いた金属製インプラントもいつまでも強度を保てない。

一度の大きな力で崩壊することもあるが、それより小さい力でも繰り返されると金属疲労によってplate やscrewも破損する。

幸い、牛のプレート固定でplate が折れてしまった経験はないが、サラブレッドのプレート固定では何度か痛い目にあってきた。

AOの唱える理想と、その達成のための方法を知って、実践すべきだろう。

(図は「新小動物骨折内固定マニュアル」より)

                ////////////////////////

今朝もまだ寒かった。

COVID-19の感染・流行も暖かくなれば治まるという希望はないのだろうか・・・

暖かい国でも広まっているが・・・・・


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1695

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>