分娩後の繁殖雌馬。
開腹手術歴があり、前回の手術後もしばしば疝痛をしている。
前回の手術は上位空腸炎だったらしい。
私は、寝入りばなに起こされて・・・・思い出している暇もない。
牛の難産と繁殖雌馬の疝痛が重なってしまったとのことで・・・・馬の開腹を執刀する。
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その繁殖雌馬はひどく痛くて検査も十分にはできなかったとのこと。
開腹したが、結腸捻転じゃない・・・・
小腸が色が悪くて膨満しているところがある。
盲腸から回腸を探し当て、上位(吻側)へと引っ張り出していくが、その先が出せない。
網嚢孔ヘルニア? いやちがう、入り込んでいるように感じるのは腹腔の左背側だ。
(網嚢孔なら右背側だ)
大結腸と絡んでいるのか? 大結腸を引っ張り出したら腹腔にスペースができたが、引っ張り出せないのはかわりない。
ボール状の糞塊がならんで数珠状になっている小結腸と絡んでいるのか? 小結腸も引っ張り出したが、小腸の様子は変らない。
結局、回腸側へできるだけ引っ張って、内容を盲腸へ推し込んで、上位の捻転部も引き出して内容を回腸部へ送りながら整復したらほどくことができた。
空腸の最上位にヘアピン状態に癒着した部分があった。
それが元で空腸全体が腸間膜を軸にして捻転したのだ。
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さて、癒着部をどうするか?
癒着を剥がしても、また癒着するだけだ。
癒着を温存して、癒着部の上位と下位を吻合する方法もある。
癒着部を切除して端々吻合する方法もある・・・・が、空腸上位なので腸間膜が短くて術創外へ出すのに余裕がない。
結局、腸間膜の血管を結紮しておいて、癒着部を切除し、端々吻合した。
前回の上位空腸炎のとき癒着したのだ。
開腹手術で内容を推送した影響かもしれないし、そもそも上位空腸炎は膵炎も疑われる状態だ。
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その間に、牛の難産はX線検査室で引っ張りだされた。
子牛はすでに死んでいた。
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研修宿泊棟は基礎工事のための穴が掘られた。
オラはお客さんだいすき かんげいです
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今日は、北海道は新型コロナの新しい感染者は確認されなかった、そうだ。