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Channel: 馬医者残日録
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新生子馬の下顎骨折

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12日齢の子馬が母馬に下顎を蹴られてひどい折れ方をしている、との連絡。

下顎骨折では、左右とも折れているか?哺乳や採食できるか?が手術の判断の基準のひとつになる。

どうやら両側折れていて、乳を飲むどころではないらしい。

X線撮影すると・・・

これはひどい。

両側折れて、切歯骨部分が完全に変位している。

写真左下が下顎、正中で割れている。

左下顎は奥で開放骨折になっており、口の中へ骨折端が飛び出している。

正中を切開することにした。

左右それぞれを切開したのでは外科侵襲が大きくなりすぎる。

骨鉗子でひっぱると整復できた。

プレートで固定しておくことを考えるともう少し引っ張りたい。

固定している間に下顎が短くなるだろうし。

左右へもきちんと整復できているかどうかわからない。

上下の切歯は崩れていて目印にならない。

顎そのものは腫れてしまっていて形がわからない。

右側は下顎骨が骨膜をかぶっているので、その外から切歯骨まで届くように6孔スモール1/3円プレートを当てて、4.0mm cancellus screw を入れた。

左下顎は骨膜が剥がれてしまっていたが、できるだけ温存して6孔スモール1/3円プレートを腹側に当てた。

切歯骨に入るscrewが、先に入れたプレートへのscrewと互い違いになるようにした。

口の中の傷を縫合した。

              ー

その夜から乳を飲めるようになったそうだ。

感染は避けられないが、抑え込めるか?

            /////////////

長期デモしてもらっているDR.

韓国製で、このサイズの”ふらっとぱねるでぃてくた”だと350万だそうだ。

よくできている。

骨の画像はとても”硬い”印象を受ける。

好みはあるだろうが、鮮明だ。

パネルは防水だし、取手などの付属品もしっかりしている。

日本のメーカーにも頑張ってもらいたい。

 

             

 


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