日曜日に、子牛が上腕骨骨折している、と連絡。
土曜日のお産の途中で親牛が腰を落とし、子牛に無理がかかったらしい。
午後の延期できない手術が終わった4時に連れて来るように指示する。
月曜日も5例が来院する予定になっているし、キャスト固定もできない上腕骨骨折だから早く手術した方が良い。
しかし、粉砕している。治せるか?
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骨幹中央部が粉々に潰れていて、細いscrewを使っても固定できそうなピースは1つしかなかった。
骨幹中央部は骨膜も大きく裂け、骨髄も血餅と一緒に取れてしまい、何も残らない。
かろうじて一番大きなピースを4.0mmcancellus screwで留めた。それも苦労した。
新生黒毛子牛の骨皮質はガラスのように薄く、骨が磨かれていて、ピタリとははまらない。
支柱性を創れることを期待して6孔n-LCPを当ててみる。でも、この位置じゃだめだ。
有効に打てるscrewは遠位に2本、近位に2本なのはわかっているので、慎重にドリリングの角度を確認する。
一番遠位に使ったのは秘密兵器 locking cancellus screw 。
近位側にも使いたかったが、LCPに垂直に入れると肩関節に入ってしまうので使えなかった、というXray画像。
一番近位のscrewも近位へ向けて入れないと対側皮質に入らない。
骨幹中央に留めていたピースがちょうどLCPの下にあったので、4.5mm cortical を2本入れた。
さらに外側から4.0mm cancellus を入れてピースを固定した。
上腕骨骨幹中央の尾側には大きな骨欠損がある。
骨髄も残っていない。
骨膜も被っていない。
あとは新生子牛の再生力に期待するしかない。
親から離して人工哺乳してもらうことにする。
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基礎はできた。
オラの部屋はないのか?