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Channel: 馬医者残日録
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no rest, no lunch, no corona

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朝、出勤したら、当番チームは難産が来てたいへんだったらしい。

そして、また疝痛馬が来るという。

当歳のときに、他の馬病院で腸管手術を受けているという2歳馬。

細身で健康な2歳馬の体形ではない。

ときどき疝痛を起こしていたそうだ。

癒着があるのだろう。

血液検査所見もひどく悪い。

直腸検査でも膨満した小腸ループに触れる。

超音波でも、完全に膨満した小腸が見えた。

開腹手術しても助けられない可能性大だし、万一助かってもまた同じことを繰り返すだろう。

諦める。

剖検したら、腸間膜が癒着し、完全な閉塞を起こしていた。

もう腸間膜が短くて、術創から出せそうにない。

              -

朝、予定の腕節骨折の関節鏡手術。

続いて、分娩予定日の繁殖雌馬の疝痛。

「子宮捻転みたいです。確認してください。」と手術室から呼び出される。

子宮広間膜がしっかりクロスしている。時計回り。

開腹して反時計回りに回転させようとすると、子宮には出血している部位もあり、反対側の子宮角は浮腫を起こしている。

直せないので、帝王切開して胎仔を取り出す。

が、すぐ心停止して死んでしまった。

子宮捻転で酸素が供給されず、すでに胎仔の状態も悪かったのだ。

親馬の子宮も損傷が激しい。

諦める。

                -

乳を飲むと腹囲膨満する子牛を診てほしいとの依頼。

状態が悪いので今日診て欲しい、幽門狭窄を疑う、腸管かも、とのこと。

12時半めがけて来院してもらって、即開腹。

しかし、第四胃穿孔で腹膜炎がひどく、すでに1-2日経っているようでどうしようもない。

諦める。  

                -

血液検査業務を終わらせて、午後2時半から予定の関節鏡手術。

2歳馬の後肢外側種子骨の頂部骨折。

入院している腸管手術馬は1日疝痛。

術後調子が良くて、制限給餌を始めたのに食べさせすぎたらしい。

諦めるか?

最後にリドカインの点滴治療をやってみることになった。

やれやれたいへんな1日だった、と思ったら、分娩後の繁殖雌馬の不調を診てほしいという。

子宮穿孔だとしても、夜中にやる手術ではない・・・・・が状態が悪いので今晩診てもらいたいとのこと。

                -

日が暮れてから開腹手術。

子宮角の穿孔で、腹膜炎はひどい。白血球数2000/μl。

子宮角の穿孔創を0 monocryl で閉じて、生理食塩液25ℓを数リットルずつ入れて吸引することを繰り返して洗浄した。

腹腔にドレインを残す。

                                         -

睡眠不足で、働きすぎで、まともに食事していなくても、

満員電車に乗るわけではないし、人ごみに入るわけでもないので、

covid-19 に感染するリスクは低いのが救いかな;笑

              /////////////////

研修宿泊棟は立ち上がった。

これもコロナ騒動が落ち着かないと運営開始できない。

 

 

 


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